
形成外科(皮膚外科)
形成外科(皮膚外科)
皮膚にできた「できもの」や「しこり」「ほくろ」などに対し、診断とあわせて外科的な処置(切除や縫合など)を行う診療分野です。皮膚科の中でも、より専門的な技術や知識が求められる領域であり、見た目や機能への影響を最小限に抑えながら、正確な診断と治療を行うことが重要です。
たとえば、以下のような症状が対象になります。
切除した組織は、必要に応じて病理検査を行い、良性か悪性かをしっかり見極めます。見た目だけで判断するのが難しいケースも多いため、専門的な評価が重要です。
当院では、できるだけ皮膚の機能や美容面への影響を抑えながら、安全で確実な外科的治療を行っております。処置が必要かどうか、まず診断を受けてから治療方針を決定することも可能ですので、「これ、取った方がいいのかな?」という段階でもお気軽にご相談ください。
※当院での対応が難しい場合には、適切な総合病院や大学病院にご紹介します。
ほくろは皮膚に現れる黒い斑点で、良性腫瘍です。当院ではほくろの大きさなどによって手術やCO2レーザーでの治療を行っております。
遺伝、紫外線、加齢に伴ってできる良性腫瘍です。全身どこにでも出現することがあり、褐色∼黒色のいぼで、時にかゆみを伴います。液体窒素、CO2レーザー、手術での治療を行っております。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によってできるいぼで、手や足、顔などさまざまな部位に現れます。最初は小さな盛り上がりでも、周囲に広がったり数が増えることもあるため、早めの治療が大切です。治療は、まず液体窒素や漢方薬の内服などを行います。液体窒素などを繰り返し行っても難治の場合は、外科的切除、CO2レーザーや自費にはなりますが抗がん剤で使用されるブレオマイシンをイボに直接注射する方法なども検討します。
やけどは、熱湯や油、火など高温のものに触れることで皮膚に損傷を起こす状態です。特に高齢者は感覚機能などが低下しているためカイロ、電気毛布や湯たんぽなどによる低温やけどで受診されるかたも増えております。皮膚の深さによって、軽い赤み、水ぶくれ、潰瘍など症状はさまざまです。やけどは受傷直後の対応がとても重要です。まずはすぐに流水で15~30分ほど冷やしたら、なるべく傷跡が残らないようにするために病院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
当院では、症状に応じて軟膏治療、壊死組織の除去などを行っております。
巻き爪は爪が巻いてる状態のことを言いますが、陥入爪は爪が皮膚に食い込むことで炎症や腫れを引き起こす症状です。巻き爪は、自費治療にはなりますが、ワイヤーなどを用いて矯正を行うこともあります。とくに陥入爪で保存療法(抗菌薬内服、テーピング)が効かない場合や症状がひどい場合には、陥入した爪の部分抜爪やそこの爪を生えてこなくさせるフェノール法を行います。
粉瘤は皮膚の下にできる角質などを含む袋状の良性腫瘍です。破裂すると臭いのする白い塊が出てきます。炎症を伴っている場合は、切開排膿処置や抗菌薬の内服をしていただきます。炎症がない状態であれば手術で摘出します。
毛穴の「毛母細胞」から発生する良性の皮膚腫瘍で、特に20代以下の若い方に多く見られます。しこりのように皮膚の下にでき、顔や腕、首などに発生しやすい傾向があります。
見た目や触った感触が他の腫瘍と似ていることもあるため、確実な診断のために摘出し、病理検査を行うことが一般的です。多くの場合、局所麻酔での日帰り手術で対応が可能です。
体の皮下にどこにでもできる脂肪のかたまりで、良性腫瘍です。通常は無症状ですが、少しずつ大きくなっていくので早めの切除をお勧めします。
皮膚にできる「がん(悪性腫瘍)」にはいくつかの種類があり、性質もさまざまです。
中には、手術で切除すれば再発や転移の心配がほとんどないおとなしいタイプもあれば、進行すると内臓など他の臓器に広がる可能性があるような、より注意が必要なタイプもあります。
皮膚がんの中で最もよく見られるタイプで、顔や頭など紫外線を多く浴びる部位に発生しやすいのが特徴です。ゆっくりと大きくなる傾向がありますが、他の臓器に広がることはほとんどなく、適切に切除することで完治が見込めます。早期発見・治療で良好な経過をたどることが多いです。
長年の紫外線によるダメージが蓄積して生じる、皮膚がんの前段階(前がん病変)です。表面がザラザラした赤い斑点として現れることが多く、特に高齢者や屋外での活動が多い方に見られます。がん化する前に治療することで、進行を防ぐことができます。
皮膚の表面にできるごく早期の皮膚がん(表皮内がん)で、赤く平らな湿疹のような見た目をしています。進行は緩やかですが、放置するとより深部に広がる可能性があるため、早めの診断と切除が大切です。湿疹やかぶれとの見分けがつきにくいため注意が必要です。
皮膚がんの中でも転移の可能性があるタイプで、顔・手・耳など紫外線にさらされる部位にできやすい傾向があります。また、やけどやけがの跡から発生することもあります。早期に治療することで高い治癒率が期待できますが、進行すると周囲のリンパ節や臓器に広がるリスクがあります。
ほくろのように見える、非常に進行の早い皮膚がんです。黒や茶色のシミが短期間で大きくなったり、色ムラや境界の不明瞭さ、出血などが見られる場合は注意が必要です。早期発見が命を守る鍵となる疾患のひとつであり、疑わしい場合は迅速な検査と治療が必要です。
陰部や脇の下など、乳房以外の皮膚にできるまれな皮膚がんです。赤みやかゆみ、じゅくじゅくした湿疹のような症状が長く続き、湿疹やかぶれと見間違われやすいのが特徴です。皮膚の異常が長期間改善しない場合は、専門的な検査で原因を調べることが重要です。
初診・診察
医師が診察し、必要に応じて検査・手術のご提案をいたします。
手術のご説明・日程調整
ご希望を伺いながら日程を調整します。内容によっては当日対応も可能です。
手術(局所麻酔)
手術時間は15〜30分程度が目安です。
術後の通院・経過観察
抜糸や創部チェックのため、1~2回程度通院していただきます。
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